ヒアルロン酸って何者？読んだら分かるヒアルロン酸のトリセツ
「ヒアルロン酸って、なんとなく肌に良さそう」
そんなイメージはありませんか？
今回はヒアルロン酸について、働きや構造についても分かりやすく解説していきます。
ヒアルロン酸の構造まで知ることで、化粧品に入っているヒアルロン酸の理由が分かるようになりますよ。
ヒアルロン酸とは？
ヒアルロン酸の歴史
ヒアルロン酸は今からおよそ90年前の1934年に、アメリカにあるコロンビア大学のカール・マイヤー博士によって見つけられた成分です。
当時は牛の目から見つけられました。今では、ヒアルロン酸が体の至る箇所で重要な役割を果たしていることが知られています。
最近では、私たちの免疫機能にも深く関わっているのではないかということが解明されているんです。(1)
ヒアルロン酸の性質
ヒアルロン酸の保水力
ヒアルロン酸1gで2L～6Lものお水を保つ性質を持っています。
ヒアルロン酸自体に色はなく、無色透明のとろっとした液体です。
ヒアルロン酸のかたち
ヒアルロン酸はという2つの糖が、1つずつ交互につながった、鎖状の物質です。
ヒアルロン酸分子、すなわちヒアルロン酸1つの大きさは、分子量が百万を超えるとても大きな物質です。
一般的に、油に溶けやすい性質を持っていて分子量が500以下の成分が、肌に浸透しやすいと言われています。
ちなみに、ヒアルロン酸は水に溶けやすい性質を持っています。そのため、ヒアルロン酸そのままでは肌へは浸透しづらいのです。
肌へ浸透しにくい性質を持ったヒアルロン酸をお肌へ浸透させるため、化粧品会社などではさまざまな工夫をほどこしたヒアルロン酸を配合しています。
ヒアルロン酸の働きは肌以外にも！
ヒアルロン酸は、肌以外でもさまざまな場所で活躍しています。
たとえば、目のガラス体を構成する主要な成分であったり、関節の骨と骨の間で潤滑剤のような働きをしていたりしています。
関節痛などに使用する薬剤や点眼剤など医療分野でも大活躍の成分なのです。
ヒアルロン酸とスキンケア
お肌のしくみとヒアルロン酸の関係
全身に存在しているヒアルロン酸のうち、50％が皮膚に存在しています。(2)
肌においてヒアルロン酸は、肌の奥にある真皮を構成している、コラーゲン繊維とエラスチン繊維の網目のすき間に存在しています。水分を保つ働きのほか、肌の弾力やハリを保つ働きも持っているのです。
けれども、ヒアルロン酸量は加齢とともに減少していくことが知られています。特に40代後半からは、ガクッとヒアルロン酸が減ってしまうんです。(3)
また、紫外線を浴びると、ヒアルロン酸を作る量よりもヒアルロン酸が壊される量の方が多くなってしまうことも報告されています。(4)
肌のヒアルロン酸の減少は、シワや乾燥をもたらす原因の1つです。
日常のお手入れはもちろん、エイジングケアの1つとしてもヒアルロン酸をうまく補っていくことをおすすめします。
まとめ
ヒアルロン酸は私たちの体、全身に欠かせない成分です。肌のヒアルロン酸が減少すると、シワや乾燥の原因となってしまいます。
年齢とともに減ってしまうヒアルロン酸。健康的な肌を保つために、今から補っていきませんか？
参考文献
(1)Mummert ME. Immunologic roles of hyaluronan. Immunol Res. 2005;31(3):189-206.
