バクチオールとレチノールどっちが効くの?レチノールとの違いとは?
植物由来のバクチオールという成分をご存じですか?
レチノールに似た働きを持つ成分として、注目が高まっている成分です。
今回はバクチオールについての性質や、レチノールとの違いなどを説明していきます。
バクチオールとは
マメ科植物のオランダビユに豊富に含まれており、その葉や種子から抽出される成分です。
バクチオールの供給源は地域によって違い、日本や中国、韓国ではニレの根と茎から抽出されます。1)
インドや中国では長きにわたって、伝統医学に使用されてきました。
レチノールとの違いは?
バクチオールとよく比較される化粧品成分がレチノールです。
バクチオールとレチノールの化学構造は異なります。しかしながらバクチオールはレチノールに似た働きをすることで知られています。
お肌への刺激性
バクチオールの方がレチノールよりも低刺激です。
レチノールは「A反応」と呼ばれるかゆみ、お肌のヒリつき、皮むけ、乾燥などの症状が起こることがありますが、バクチオールはビタミンAとは異なるためA反応は起こりません。
低刺激とはいえ、バクチオールが肌に合わないこともあります。初めて使用する際には、少量で試してから使用し、お肌に刺激や発赤が生じたらすぐに使用をやめましょう。
バクチオールの性質
レチノールは紫外線や熱に弱く、分解されやすい成分です。そのため朝のお手入れアイテムには不向きで1日1回、夜のお手入れに使用します。
一方バクチオールは熱や紫外線に強いため、朝晩のお手入れに使用可能です。
何から抽出した成分?
レチノールは動物由来、バクチオールは植物由来の天然成分のため、ヴィーガンの方でも安心して使用していただけます。
古くから利用されてきた天然成分ということも、手に取って試しやすい要素ですね。
バクチオールに期待する効果
バクチオールに期待できる作用は以下の通りです。
◆ 抗酸化作用
◆ ターンオーバーの活性化
◆ 紫外線によるシミや色素沈着の改善
◆ エイジングケア
◆ 毛穴の黒ずみやニキビ
レチノールと同じように、お肌の細胞が作られるのを活性化することでターンオーバーが促進されます。
するとメラニンや角質、角栓が落ちやすくなり、上記のような効果が期待できるのです。
バクチオールとレチノールはどっちが良い?
一般的にはバクチオールの方が、作用がマイルドだと言われているようです。
ここでイギリスの皮膚科学会雑誌に寄せられた文献を1つご紹介します。2)
この調査では12週間にわたって、0.5%のバクチオールクリームを1日2回塗るグループと、0.5%のレチノールクリームを1日1回塗るグループで効果の違いを調べました。
すると、どちらのグループでも同程度、しわや色素沈着の改善が認められています。
ちなみに皮膚の乾燥や湿疹の起きやすさは、レチノールを使用したグループの方が高かったそうです。
1つの文献から効果の程度を断定するのは難しいものの、効果を期待して無理にレチノールを使用することはしなくて良いでしょう。
まとめ
今回はバクチオールについてお伝えしました。
バクチオールは皮膚への刺激性が低く、古くから頼られてきた植物由来の天然成分です。
植物にあげる肥料のように、ぜひ毎日のスキンケアにプラスして、お肌に元気を与えましょう。
参考文献
1) Nizam NN et al. Bakuchiol, a natural constituent and its pharmacological benefits. F1000Res. 2023 Nov 7;12:29.
2) Dhaliwal S et al. Prospective, randomized, double-blind assessment of topical bakuchiol and retinol for facial photoageing. Br J Dermatol. 2019 Feb;180(2):289-296.
・Chaudhuri RK, Bojanowski K. Bakuchiol: a retinol-like functional compound revealed by gene expression profiling and clinically proven to have anti-aging effects. Int J Cosmet Sci. 2014 Jun;36(3):221-30.